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物流ニュース
責任はトラックドライバーだけ? 事故多発の坂道対策 包括的な安全策を
2026年10月25日New!!
神戸市灘区の県道灘三田線で、トラックなど貨物車が関係する事故が相次いでいる。9月16日には、坂道を下っていたトラックが信号待ちの神戸市バスに衝突し、計11人が重軽傷を負った。トラックのフットブレーキ部品には焼けて変色した痕が見つかり、ブレーキの過熱によって制動力が低下する「フェード現象」が起きた可能性がある。ある運送会社の社長は「ドライバーの運転技術や注意力に加え、車両管理や道路構造など、複数の観点から対策を考える必要性がある」と声をあげている。
●フェード現象か
フェード現象は、フットブレーキを繰り返し使用することでブレーキが過熱し、制動力が低下する現象。長い下り坂では速度が上がりやすく、車両重量が大きいトラックは減速時に大きな制動力を必要とするため、エンジンブレーキなどを適切に活用した運転が重要となる。
同路線では8月にも、レッカー車が電柱などに衝突する事故が発生。警察がフェード現象を原因と断定している。また、同路線で約7年間に発生したフェード現象が原因とみられる事故は9件で、すべて貨物車が関係していた。このうち8件は六甲山麓の急な下り坂で発生している。

こうした事故を防ぐため、ドライバーには下り坂に入る前の適切なギア選択やエンジンブレーキの活用、速度管理が求められる。一方、同社長は「注意して運転していても、積載重量や道路環境などの条件が重なれば危険性が高まるのではないか」との見方をしている。
「特に、重量のあるトラックは乗用車と比べて制動時の負担が大きく、積載量や積載状態も走行条件に影響する。運行時間を意識するあまり、速度を落とすことに心理的な抵抗が生じる可能性もあり、余裕を持った運行計画と安全を優先する意識づくりが欠かせない」とした。
●実効性ある対策を
車両管理の面では、定期点検に加え、日常の運行前点検や異常の早期発見が重要となる。同社長は「ベテランドライバーは車両の異音や操作時の違和感に気付きやすい一方、経験の浅いドライバーは不具合の兆候を見逃すこともある」と指摘する。異常を感じた際に無理に走行を続けず、安全な場所に停車して確認する判断を含め、車両の仕組みや点検の重要性を伝える教育が求められる。
道路環境の改善も課題だ。神戸市はフェード現象への注意喚起の看板設置やガードレールの整備などを進めているが、急坂やカーブが続き、道路幅の拡張が難しい区間もある。同社長は「走行中に異常を感じた際、安全に車両を止めて確認できる退避スペースの確保も対策の一つ」としてあげたが、山間部では用地確保が難しいなど、整備には課題もある。
事故の原因をドライバー個人の運転技術だけに求めるのではなく、車両の点検・整備、安全教育、運行計画、道路側の安全対策を組み合わせて考えることが重要だ。事故が繰り返される危険箇所では、発生状況や車両の特性を踏まえ、運送事業者と行政が連携し、実効性のある対策を検討する必要がある。
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