皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）理事長の上西一美です。２０２１年に交通事故で亡くなった死亡者数は、２６３６人となり２０２０年を下回り、死亡者数最少記録となりました。しかし、２６３６人という数字は、１日平均７.２２人、２時間半に１人が亡くなっているということになります。そう考えると、決して少なくない数字でもあります。さらに亡くなった方のご遺族や、加害者家族を含めると、数字以上の方が、悲しい思いをしていることになります。

さて、このような状況の中、ここ５年間、交通事故の死亡者数は減少傾向が続いているわけですが、にもかかわらず横ばい状況になっているのが、歩行者が第一当事者となる事故です。第一当事者とは、歩行者の違反が、その事故の大きな原因となっている場合で、歩行者の信号無視や無理な横断などが原因で、亡くなっている歩行者が、この５年間減少していません。

ここで一つ気を付けていただきたいのが、歩行者はもちろん交通ルールをしっかり守ってください。しかし、車両側も速度超過や夜間時のハイビーム走行をしていないなどの違反があった場合は、いくら歩行者が信号無視や無理な横断をしていたとしても、車両の運転者が罰せられる可能性もあります。よって、日ごろの運転の中で「交通ルールを守る」ことを習慣化しておいてください。