エイラクヤは、手ぬぐいを主力商品とし、若者から年配まで、多くの
女性から支持を得ている、京都の繁盛企業です。
ただし、同社が手ぬぐいを主力商品としたのは、現代表取締役社長の
14代細辻伊兵衛氏がトップになってからです。
その前の主力商品は、タオルでした。
タオルは、大手企業の取り扱うライセンスブランド商品に押されて、
業績が芳しくなく、債務超過に陥っていたそうです。
そこで、14代が、自社の390年の歴史の中から、独自固有の長所を発揮
できるネタはないかと探し出したのが、手ぬぐいだったのです。
今では、高レベルな製造技術とブランディング力による、手ぬぐいを
核としたマーケティング展開で、財務状況を好転させ、伸びの著しい
繁盛企業になっています。
先日、弊社主催の視察セミナーで訪問した際、14代細辻伊兵衛氏は、
以下のようにおっしゃっていました。
「中小企業は、大きなマーケットで勝負してはいけないと思う」
「オンリー１でナンバー１を目指す」
つまり、「大企業が大資本をもって攻めてくるような大マーケット
では、消耗戦になってしまい、中小企業は不利である。大企業が
入ってこないようなニッチマーケットで、ナンバー１になる方が
利口だ」ということです。
タオルから手ぬぐいへ、勇気を持って商品を転換し、新たに
マーケットを創造した、エイラクヤの事例からは、中小企業が戦略を
立案するにあたって、大きな示唆を得ることができます。