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    需要高まるデリバリー 出前館とウーバーイーツ

    2019年6月17日

     
     
     

     飲食店で食事する外食の市場規模が減少するなか、フードデリバリー市場は2018年に4084億円、前年比5.9%増(NPD Japan=エヌピーディー・ジャパン調べ)となり、拡大を続けている。電話注文がいまだに大半を占めているフードデリバリーサービスでは近年、スマホやパソコンからの注文も急激に増加している。それにともない、フードデリバリー市場は、利用者・登録店ともに拡大を続けており、今後も継続して需要が高まることが予想されている。

     拡大するフードデリバリー市場の需要に対応していくためには、配達員(労働力)の確保が重要となる。だが、様々な業界で人手不足となっている状況で、労働力の確保は容易ではない。国内のフードデリバリー市場で存在感を見せ、勢いのある、日本最大級の宅配ポータルサイト「出前館」と、米国のウーバー・テクノロジーズ社のデリバリーサービス「Uber Eats」では、それぞれの特徴と強みを生かし、労働力を確保している。

     夢の街創造委員会(中村利江社長、東京本社=東京都千代田区)が運営する宅配ポータルサイト「出前館」はもともと、自社配達をしている飲食店のプラットフォームだったが、デリバリーの価値を高めるためにシェアリングデリバリーサービスを開始。「出前館」のアクティブユーザー数は今年4月末時点で288万人以上、加盟店舗数は1万9122店舗と国内最大規模となっている。

     シェアリングデリバリーは、配達機能を持たない店舗でも、「出前館」に加盟することで、複数の加盟店舗とデリバリー機能をシェアすることができるサービスで、朝日新聞販売店や軽運送事業者などと配達パートナー契約を結ぶことで宅配インフラを確立。時間や労働力の有効活用で、人手不足にも対応する。

      配達の対象となる加盟店は、1拠点あたり20店程度となっており、できる限り最高の状態で料理を届けることができる範囲を1拠点の配達エリアとしている。これにより、配達時間の正確さと、注文から最短20分で届けることができるスピードも「出前館」の特徴の一つとなっている。

      同社が「出前館」を運営する上で、最も大事にしているポイントは「配達の品質」であり、届いたときの状態や配達時間の厳守は特に力を入れている。さらに、その品質を維持し続けることが重要だとして、個人とは配達パートナー契約を結んでいない。配達パートナー(配達代行会社)は、「出前館」と契約することで、新たな収入源の確保(注文金額に対する手数料)の確保と、人員やバイクなど既存リソースの活用による本業との相乗効果が見込める。

     Uber Eatsについて、同社広報チームの藤本久美さんは「日本ではまだ、オンラインデリバリーが普及しきっていないので、弊社では一緒に盛り上げてくれるありがたい存在だと思っている」とし、「デリバリー市場はまだ、電話注文が大半を占めているので、効率化で人手不足の問題を解決するためにも、オンラインデリバリーの普及に力を入れていく」としている。

     一方、配車サービス「ウーバー」を提供するウーバー・テクノロジーズ社の日本法人Uber Japan(東京都渋谷区)が運営している日本のUber Eats(日本代表・武藤友木子氏)は、ユーザーとレストラン、配達パートナーの三者をリアルタイムでマッチングさせて料理を届ける「シェアリングエコノミー」の概念を用いたフードデリバリーサービスを展開。全国1万店以上のレストランパートナーがUber Eatsでデリバリーを行っている。

     Uber Eatsのサービスは、配車事業で培った効率性の高いマッチングテクノロジーを利用して、ユーザーとレストランパートナー、配達パートナーをシームレスに繋いでいるのが特徴で、テクノロジーを使った効率的な配達を実現。また、既存のデリバリーサービスの多くが最低注文金額を設けているが、Uber Eatsでは最低注文金額を設定しておらず、コーヒー1杯からでも利用することが可能なので、気軽に注文できるのも特徴の一つだ。

     同社の仕事は自分のライフスタイルに合わせて、空いた時間に働けるフレキシブルさが好評で、隙間時間を有効に使って収入を得たいという人が数多く働いている。配達エリア内にいれば、一番近いレストランパートナーから配達パートナーに配達依頼が届く仕組みで、国内のどこに行ってもエリア内にいれば仕事ができる便利さも魅力となっている。

     自転車やスクーター、軽貨物運送事業に登録済みの車両で配達することができれば、年齢や性別、職務経験は関係なく、アプリのボタンを押すだけで誰でも仕事をすることができる。

     基本的には誰でも気軽に働くことができることから、サービスの品質維持が課題となる。そのため、相互評価制度では、配達パートナーはユーザーやレストランパートナーから評価される仕組みとなっている。ここでの評価が低い場合、パートナーアカウントが一時停止となる可能性もある。また、パートナーが安心して料理を運べるように、登録説明会やGPSで配達状況をリアルタイムに確認するなど、様々な取り組みを行っている。

     米配車大手ウーバー・テクノロジーズが5月30日に実施した19年1〜3月期決算発表では、「運転者への支払いが収益を圧迫したことで、米ウーバーの赤字は約10億ドルになった」と発表されたが、Uber Japanには特に影響ないとのことから、今のところ配達パートナーの確保はうまくいっているようだ。

     
     
     
     

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