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ブログ・高橋 久美子
第49回:運送会社の適正運賃を守る会
2011年2月2日
「もう、値下げしたくない!」。あなたがもし、真剣にそう思っているのなら、これから荷主に値下げ要求をされたとき、こう言ってください。「料金は変えられないんです。でも○○○することができます」。
この「○○○」の中に入る言葉は、運送会社によって違います。あなたが考えなければなりません。あなたの荷主にとって、魅力的な提案でなければなりません。この「○○○」を、真剣に考えぬいて、紙に書き出してください。そして、最低10個はあなたの「懐刀」として、いつでも胸にしまって持ち歩いてください。
今、多くの運送会社が、適正運賃で取引できるようになることを望んでいます。「値下げ競争がなくなれば楽になる」と思っている人もいます。しかし、実は適正運賃で取引できるようになった時こそ、運送会社の真価が問われてきます。「価格が同じなのに、なぜ、あなたの会社を選ばなくてはならないのか?」。結局、それを明確にできた会社だけが、勝ち残ることになります。
「安い仕事を受けるのはやめなさい」「無理な値下げ要求は、きっぱり断ってください」。私はクライアントさんにもあなたにも、そう言い続けてきました。でも、正直それが、現実的にはどんなに難しい事なのかという事も、私自身よく理解しているつもりです。
範囲を超えた値下げは、多くのリスクを伴います。経費を節約するために、車両点検を削減する。事故のリスクが高まる。ドライバーの負担が増える。業界全体の質が低下する。・・・適正運賃の範囲を超えた値下げをすることが、どんなに危険な事なのか、わからない運送会社などないはずです。「わかってる。でも、どうしようもないんだよ!」。そう叫びたくなる現実が、あるのだと思います。
「荷主と小さな運送会社の主従関係」や「運賃設定」について、実際に調査してみると、思った以上に厳しい現実が見えてきました。この現実を変えていくのは、想像以上に大変な事だと思います。今のままでは、運送会社に「希望を持って」と言うことすら、難しいことかもしれません。
ですから、あなたに「変われ」「がんばれ」と、言っているだけでなく、私自身も業界の現実を変えるために、動くべきだと強く思うようになりました。無理な値下げ合戦を阻止するために、私に何ができるだろう?そう考えた結果「運送会社の適正運賃を守る会」という会を発足することにしました。具体的には、今後、行政への働きかけをしたり、荷主側へ適正運賃の必要性について教育するなどしていきます。どれだけの事ができるのかは、わかりません。しかし、私たち運送会社の支援団体がしていく活動と、運送会社のあなたの決意と、両方が合致していれば、業界の現実を変えていくことができるのではないかと思っています。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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