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  • ブログ・花房 陵

    物流部門の情報発信

    2007年9月17日

     
     
     

    ●ヒト・モノ・カネ・情報という4つの資源
    事業に投入できる経営資源は4つと言われています。ところが、いつも言うようにどの企業も
    ヒトとモノに苦労しています。生産性を高めたり、付加価値を付けようと様々な苦労をしている
    のですが、なかなか効果が発揮できないでいます。だからといってあきらめることはできない
    のですが、生産性や付加価値を高めるのに一番の近道が情報であることを忘れがちです。
    カネという資源も大切なものですが、現代では金余り現象といって、投資家も資金も行く手を
    探しあぐねているのが実態です。銀行金利が極端に低いので、100万円はただおいておくだ
    けなら何の付加価値も生みません。そこで、銀行金利を上回るような事業計画があるところには
    豊富な資金提供者がいるのです。カネは天下の回りもの、とはいうものの庶民の生活感とは
    離れたところで、経営者にとっての資金は実に集めやすい時代になっているのです。
    ●情報の生まれるところ
    4つの資源の内でもっとも貴重なものが情報です。しかも情報をうまく活用すれば、生産性の
    向上や付加価値、ひいては銀行金利以上の事業計画を生むアイデアにもつながります。
    しかも情報は誰にでも見えるし聞こえる、誰でも手を伸ばせば手に入れることができるのです。
    だだし、情報の価値や重要性は気づくヒトと気がつかないヒトがいるのが実態です。
    感性が乏しければ情報は雑音と同じですし、近くにあっても気づかないという難しさもあります。
    情報とはそれを求めているヒトにしか聞こえない、と表したのがフランスの科学者クロードシャノン
    という人物で現代の情報産業やコンピュータシステム、電話技術のオリジナルなのです。
    シャノンの「求めるものにしか届かない」という情報の性質は、私たちの実感として理解できる
    ものでしょう。同じ新聞記事を読んでも株を売るか、買うか、で勝負が分かれます。
    背景情報や複合情報、歴史や経験が情報の判断能力に関わっているわけで、情報そのものが
    価値を持つのではなく、情報をきっかけとした一連のアイデアの連鎖がビジネスを生むのです。
    ニュースは誰でもが知る情報ですが、その背景やその実態、その応用や評価、判断はヒトが
    行います。情報判断をコンピュータが全部肩代わりできない理由に、ヒトの判断力があるのです。
    そこで真に役立つ情報、ビジネスに影響をもたらす情報はヒトから生まれると言えるのです。
    ●ヒトとモノが接するところ
    私たちの生活はビジネスであれ、家庭でアレ、いつもモノと一緒にあります。いわばモノを扱う
    のが物流であるなら、情報が生まれるのは物流のあるところと言っても過言では無いでしょう。
    物流現場には様々な情報があふれています。ここで言う情報とは、事業に影響をもたらす事
    を指していますが、売れる、売れない、競合や新規事業者、政治や経済、文化の動き、流行や
    話題というのは、人が集まり、モノが動いているところで正体を現します。
    物流現場やトラックドライバーは、漫然と物事を見ているなら気づかない新聞やテレビのニュース
    そのものの実態を現場で知ることができるのです。
    物流の仕事は毎日忙しいモノですが、その中にちょっとした変化や兆しを感じることができると
    したら、明日からの販売や生産のヒントになる情報があふれているのです。
    ●自らが情報を発信するために
    物流現場から情報を発信しなければ、会社からは何の情報も届きません。世の中のすべては
    ギブ&ギブン、与えなければ得るものがない というのが現実です。厳しいかも知れませんが
    与えることによって得るものが届くというのが本当の姿でしょう。
    そこで、物流現場や納品先、配送先、店舗やマーケットの情報を物流の立場から情報として
    発信するなら、営業マンの集めた情報とクロスミックスすることによって信憑性や確度が高ま
    るでしょう。
    マーケティング情報や公開情報の裏付けになるかも知れません。単なるモノの動きや動向で
    あっても、新商品や次の事業企画のヒントになることがあるのです。
    漫然と毎日を過ごしている物流現場と、このような情報の価値を知り、情報を集めようと努力し
    情報に関するセンサーであることを自覚した物流現場では、企業の中における役割が全く
    変わってくるでしょう。
    コストセンターだ、ミスクレームゼロを目指すだけの消耗する職場と考えるか、新たな事業の
    芽を探し出す情報収集機関と考えるかによって、自らの仕事そのものが変わります。
    学ぶ職場、というのが現在の多くの話題になっているようですが、学ぶ素材は物流現場に
    たくさんあふれていることに気づかない手はないでしょう。

    ●情報機関としての物流

    返品を見れば商品開発のヒントがあります。急に売れる、急に止まる、ドライバーの観察眼
    そんなものから競合の動きやマーケットの温度が知れるのです。
    体を動かす職場だけれども、アタマやセンサーを使えば将来の改善や現在の道の選択肢も
    変わってくる、そんな取り組みをする現場には明らかな違いがあるのです。
    職場の意見をまとめたり、定点観察を長く続けたり、変化の理由や事由を記録続けることに
    よって、時代の流れや流行やマーケットの動きを分析することが可能です。
    情報をどれだけ活用しても手に余ることはありません。尽きることのない経営資源が情報であり
    物流現場からの発信によって、多くの情報が収集できることを知りましょう。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    花房 陵

    イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
    コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。

     
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