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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(306)人材育成について(13)A社の事例(1)

    2020年9月28日

     
     
     

     ・長所を伸ばす

     

     A子さんに私が新人研修で出会った時、深く心に残った。高校を卒業して入社したA子さんは18歳であったが、実に暗いタイプだった。新人研修の講師として、私はA子さんに出会ったわけであるが、じっと下をうつむいて、暗い陰気な感じであった。年よりずっと老けてみえた。3分間スピーチを表現力アップの一環としてさせてみても、沈んだ声でぽつりぽつりと話す。研修終了後、その会社の人事担当者とA子さんについて話し合った。

     人事担当者曰く「いやあ本当に困っているんですよ。入社して3か月になるんだが、まともに電話対応すらできないんですよ。お客さんが怒ってしまうくらい、トンチンカンな反応をするんですよ。仕事上のミスも多く、先輩に怒られっぱなしです。どうしたらいいでしょうか」。私はたずねた。「A子さんの学生時代の成績はどうですか。それに家族環境はどうですか」。

     人事担当者「成績はそんなに悪くないです。でもじっと仕事ぶりを見てみると、時々ボケっとしています。先日も受話器を耳に当てて、下をうつむいてじっとしているので、びっくりして、どうしたのと問いかけても、応答なしですよ。一種の病気ではないかと思っています。家族環境は詳しくはわかりませんが、グズとかノロマとかお母さんやお姉さん、お兄さんに言われっぱなしだそうですよ。家でしょっちゅう怒られているので、それで会社にきても暗く、いじけているのではないかとみています。先日個人面談してA子にはっきり聞いたのです。〝会社を続ける気持ちですか〟そうすると〝はい、しっかりがんばります〟どうしたらいいか頭をかかえています」。A子さんは歩く姿勢もうつむき加減で「ちょっと変だ」との思いは、職場で働く人の共通認識である。

     私はA子さんのケースで、これは一種の拒人症ではないかと思った。

             つづく

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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