関西のある引越事業者は、見積もり時の丁寧さで受注件数を増加させている。

　先月も競合他社２社の相見積もりに遭遇。同社を含め３社とも社名入りの営業車で顧客宅を訪問した時のこと。他社は客に駐車場所を尋ね、指示通りに家の側に車を駐車した。
　しかし、同社は数百ｍ離れたパーキングメーターに駐車。携帯電話で駐車場所と今から伺う旨を告げた。
　相手は決まって「わざわざ有料駐車場に入れなくても、この辺は大丈夫だから」と言うが、すかさず「引っ越しの営業車を自宅付近に止められることを嫌がる方もおられます。万が一の場合や、コンプライアンスの観点からも違法駐車排除の徹底に努めております」と返答している。
　他社よりも高い金額での見積もりが多いが、１００％近く成約させているという。
　社長は「不特定多数の相手では第一印象が非常に重要。手間暇を惜しまずにコンプライアンス重視の姿勢を示すと好感を持って応じてくれる。不況で値段競争が激化しているのは事実だが、どうやって差別化を図るかが大切」と話している。