大雪で公共交通機関がマヒする中、約３００kmをヒッチハイクして日本航空高校石川の推薦入試にたどり着き合格した少女の物語が、ＮＨＫＦＭのラジオドラマとして全国放送される。
　主人公の川口瑠美子さん（１６歳）が同校の入試に臨んだのは昨年１月。埼玉県川越市の自宅から列車を乗り継ぎ、夜行で学校を目指したが、大雪のため新潟県内の駅で足止めとなった。２時間以上歩いてたどり着いたガソリンスタンドで、神戸に向かう途中だった山形県の運送会社のトラック運転者に事情を話したところ、「ヨコヤマ」と名乗る運転者は快く助手席に乗せてくれた。
　当初は金沢まで乗せる約束が、さらに１００km以上離れた輪島市にある同校まで車を走らせてくれた。そして試験会場に到着したのは集合時間の１０分前だった。
　川口さんが書いた入試作文の題は「私が感動したこと」。励ましてくれた母親やトラック運転者への感謝の思いを書き綴った。その結果、合格を勝ち取り、当時の新聞やテレビなどで話題となった。
　ラジオドラマはＮＨＫ新潟放送局が制作。放送は４月９日午後１０時から５０分間、「ヒッチハイク」のタイトルで全国放送される。