運送事業者とトラック販売会社がタッグ。フジトランスポート（松岡弘晃社長、奈良市）はこのほど、トラックの販売、買い取りを手掛けるフラット（平野洋志社長＝写真右、愛知県岡崎市）と業務提携した。

現在、約２４００台（そのうち大型車が約２０００台）のトラックを保有しているというフジトランスポート。松岡社長は、「Ｍ＆Ａの際の中古車の査定の時などに、一緒に協力できればと業務提携に至った」と経緯を説明。フラットにとっては、提携によって名刺や看板などにフジトランスポートのロゴを使用することが可能となる。両社はこれまでも取引関係にあったが、お互いの付き合いを明確にしようという目的で、４月から正式に業務提携をスタートさせた。

松岡社長は、「当社は車両の在庫をたくさん持っている。また、全国に整備工場が16か所あり、整備士も１００人以上が在籍しており、塗装や板金もできる。その辺りも活用していただければ」とスケールメリットを強調。また、「新車を買う時、一般的に運送事業者はディーラーに相談をするが、その車両の価値が２年後、５年後、１０年後にどうなるのかが、なかなかわからない。その点、中古トラックを扱う会社がそういった情報は一番くわしい。また、Ｍ＆Ａはスピードが大切だが、車検証だけでは運送事業者は車両の価値を判断できない。そうしたアドバイスもしてもらえるようになる」と、フジにとってフラットと提携することによるメリットを話す。平野氏は、これまでフジがＭ＆Ａをしたときなど１０００台以上を査定してきた実績を持つ。

フジトランスポートで中古車販売担当の清水順一朗氏（同左）は、「フラットさんも展示場をお持ちであり、販売の幅が広がる」と期待を込めて話す。松岡社長は、「お互い、保有車両を在庫として共有できる。いずれホームページでの連動も考えている」と述べ、「当社は１日１台以上新車が入ってくるので、その分、出口戦略が大事。お互いの強みを生かして、車両の適正な評価につなげていただきたい」と力強く話す。平野氏は、「車両に特化して、しっかりサポートをしていきたい。有益な情報を提供し、価値がある車両を作り出していきたい」と意気込みを語る。

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