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    事業停止がハイペースで更新 同じ違反繰り返しが原因

    2013年10月15日

     
     
     

     頻発する重大事故にともなう運輸当局の巡回・特別監査や、内部告発を端緒とした労基通報なども加わって、行政処分の現場が異常な状況になっている。平成23年に7件、翌24年に8件の事業停止処分がトラック事業者に出された九州地区では、今年7月下旬から8月初旬にかけての半月間で、過去の年間件数に匹敵する7件の事業停止処分が発出された。
     また、そのうちの半分以上が6日間以上の事業停止となっているが、極めて厳しい処分に至った各ケースの背景から、ある共通点も見えてくる。


     処分基準が厳格化されるにつれて事業停止を受けるトラック事業者数は増えており、平成24年は25都府県で76事業者と、同21年比で倍増。今年は上半期で32件(21都道府県)となっており、いくらか前年を下回る状況で推移しているようにも映るが、7月に入って状況は一変。九州運輸局は上半期で計3件だった事業停止数は、7月下旬からの15日間ほどで過去の年間記録(同23年7件、同24年8件)を更新。
     わずか半月の間に九運局が出した事業停止処分は3日間が3件、6日間が1件、7日間2件、14日間が1件の計7件。端緒で見れば「死亡事故」が5件で、「労基通報」「過積載による108条通報」がそれぞれ1件。過去に例がないハイペースの事業停止に、処分を出した九運局も驚きを隠せない様子だが、「何らかの違反で監査を受けた経験がある事業者が、3年以内に同じ違反を指摘されると処分は重くなる(再違反)が、死亡事故があった場合は2回目でも、さらに重い累違反の扱いとなる。そうしたケースが重なった」(自動車運送事業安全監理室)と、偶発的なものであることを説明する。
     例えば、初回で車両停止20日車となる違反項目の場合、処分を受けてから3年以内に同じ違反行為を指摘されれば60日車(再違反)、3回目以降(累違反)は180日車になる計算。担当官が話すように、仮に2回目の違反であっても死亡事故が絡めば累違反が適用され、そうした違反項目が複数あれば日車数は一気に膨れ上がり、予想もしない段階で事業停止を通告される可能性が高くなる。
     また、運輸局単位で付与される違反点数の累積期間は原則3年だが、期間中に違反を繰り返せば、事業停止や許可の取り消しといった厳しい処分が適用される。ただ、違反点数が付与されても「処分日より前の2年間に違反点数がない営業所」「安全性優良事業所(Gマーク)」については、その後の2年間が無事故・無違反であれば点数は消滅。
     一方、直近の様子としては九州地区の異常ぶりがあるものの、全国的に見れば事業停止処分の現場は「東高西低」の状況が続いている。運輸局別では依然として関東が突出しており、同23年の全国ワースト3は東京13件、埼玉9件、群馬7件の順。昨年も茨城の11件が最多で、東京と神奈川が8件で続くなど、連続して関東エリアが全件数の約60%を占めている。
     10月から適用される新しい処分基準では、日車数を計算する際に「最も大きい(重い)違反項目以外は『半分』で計算」「重大事故や道交法違反で一律の再違反を適用」「死傷者数に応じた係数で処分を加重」という従来の方法が廃止され、基準日車を単純に積み上げていくルールに変わるほか、前出の「半分ルール」がなくなるのと引き換えに「初違反の3倍とされている再違反の基準日車数を2倍」に引き下げる。こうした点数計算式の変更で「これまでより重く…」、逆に「軽く…」といった状況になる可能性もあるが、いずれにしても「過去に指摘された違反」の再チェックが急務であることは疑いようがない。

     
     
     
     

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