傭車に仕事を出したら得意先を取られた、という話はよく聞くが、逆に傭車で行って仕事を取り返すという事業者もいる。
　関西のある運送会社は昨年、取扱事業も積極的に展開している事業者に傭車を数回頼んだが、１か月後、傭車先は荷主に直接営業をかけて直接取引を始めたという。

　運送会社は、その傭車先から仕事を受けるケースもある。仕返しとばかりに、その後、傭車先から快く仕事を引き受けたが、今度は傭車先を飛び越え、直接、複数の荷主に営業をかけて、直接取引することに成功した。
　社長は、伝票と積み地情報をもとに営業攻勢をかけていったが、元トラックのディーラーで営業経験があり、営業センスは抜群。荷主と１時間話し込んで、指名を受け、直接取引を獲得した。
　以後、傭車先からは警戒業者に指定され、仕事の依頼はまったく来なくなったというが、社長は、「今の時代、隙さえあれば、すぐに同業者が入り込んでくる。取られたら取り返すという意気込みで攻めていかなければ」と話していた。