軽油価格の高騰が続く中、「他社より安い燃料」をセールスポイントに、運送会社に売り込みを行う燃料販売会社が一部に見られる。しかし、「安すぎると品質に不安」「本当にその価格で続けられるのか」などと、敬遠されるケースが多いようだ。

　東海地方のトラック事業者には「今（他の燃料会社から）入れている値段より安くする」と、売り込みの電話があった。価格を尋ねると、相場を大幅に下回る価格を提示してきた。価格の安さから、その運送会社は飛び付きたい気持ちになったが、価格の根拠が不明確で「ひょっとしたら不正軽油かもしれない」との不安から、結局、取引をしなかった。質に問題のない比較的大規模な燃料販売会社からの売り込みもあるというが、「他社よりも安い価格を保証する期間を限定している場合がほとんどで、これまでの関係を考えると安易に切り替えるのは危険」だという。
　ある会社では、出入り口付近に「クマリン検査キット」を置き、燃料会社などに不正軽油を仕入れることがないという意志を示し、防衛策をとっている。