「稼ぎたいなら運送会社へ」といった声が聞かれたのは、大昔の話。いまでは、業界で働く従業員の賃金が他の業界の平均以下となってしまっている。転職サービスのＤＯＤＡの「平均年収・生涯賃金データ２０１２」によると、「陸運・鉄道・海運・航空」の平均賃金は７９業種中５９位だった。

　詳しく見ると、業界全体の平均賃金は４４２万円、生涯賃金２億９０９万円。これに対して、陸運関係の平均賃金は３９７万円。生涯賃金は１億８６０２万円。２０歳代の平均賃金は３２０万円で、３０歳代は同４３２万円、４０歳代は同５５４万円だった。
　陸運関係の男性の平均賃金は４３２万円で、女性は同３３８万円。平均順位を見ると、男性の平均順位は７９業種中６２位。年代別に見ても２０歳代で同５５位、３０歳代で同５３位、４０歳代で同６２位となっている。
　また、運輸労連のトラックドライバーアンケート「２０１２年トラック運転者７８４５名の証言」では、残業時間について、４７.９％が「実際の残業時間で支給されている」としているが、１４.５％が「実際の残業時間より少なく支給されている」と回答。「残業はしても支給されない」と答えたドライバーも１５.１％いた。