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ブログ・高橋 聡
第279回:令和時代の運送業経営 管理職編(77)
2025年1月9日New!!
【監査・調査対応編】77
「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今号も中小運送業における「労務リスク対応」に関し解説してまいります。
1.労務リスク
中小運送業における「労務リスク」には、「採用・定着リスク」、ハラスメントなど労務トラブル、そして「未払残業請求」「不当解雇」リスク、「過労死」リスクがあります。経営に関する外部環境は法改正やエネルギー相場、荷主のサプライチェーン変更・M&A・モーダルシフトなどもありその影響は大きいですが対策を立てにくいリスクです。
内部リスクとして「事業承継」とともにあるのは「労務リスク」です。労務リスクについて、頻度・影響度(金銭的)を考えてみます。日々発生する労務トラブルや採用難、定着不足に悩む経営者が多いですが、会社の屋台骨を揺るがすような影響に発展することはあまりありません。
「残業代未払請求」や「不当解雇」リスクは数年に一度発生する可能性のあるリスクですが、数百万円の請求を受けることもあり得るので対策の優先度は高いです。
日々の業務に忙殺され、採用や定着の問題に対応しているために「給与体系変更」や「解雇」の問題への対応が遅れている事例が大変多くなっています。「給与体系」は「時間管理方式」「労働時間制度」の問題と一体で検討する必要があります。「不当解雇」に関しては「退職勧奨」や「自己都合退職誘導」など、係争を避ける必要があります。
「業務災害」とは社員が「脳・心臓疾患」「精神疾患」により死亡・後遺障害となり労災認定されることをいいます。数年、数十年に1回あるかないかというリスクですが数千万~数億円の支払になるなど影響度は大きく、会社の存続に影響があるため、保険化(「業務災害補償保険」加入)する必要があります。
2.実務上の留意点
運送業経営者が対応する経営課題は非常に多く目先のトラブルに目を奪われがちですが、リスクマネジメントの観点により発生頻度・影響度を勘案し、困難ではありますが、「給与体系変更など」対応すべきリスクの優先度を高めて対策を立てていく必要があります。関連記事
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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