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ブログ・馬場 栄
第152回:休憩時間の適正管理
2019年6月21日
ドライバーの運転日報を見ると、休憩時間の記載がなかったり、昼食時間の1時間のみ休憩が記載されているなどの日報を見ることがあります。例えば、早朝から出発して拘束時間は10時間を超えているのに、休憩時間がなかったり、もしくは1時間程度の休憩のみでしょうか。もちろん長距離の移動や時間に追われるルート配送などで休憩がなかなか取れないという日もあるとは思います。ただ、毎日というわけではなく、詳しく話を聞くと実際には朝食、昼食、夕食の時間や車を止めて短く休憩している時間や、長距離であれば高速のSAで停車して休憩や仮眠している時間も発生しているようです。
これは、ドライバー本人が長時間運転するため、適切に取っている休憩時間であり、健康管理面から言えば必要なことと考えられます。また、改善基準の連続運転4時間を超えないためにも必要な措置です。しかし、問題なのは必要に応じた休憩時間をきちんと把握できていないが故に、日報上の労働時間が長くなってしまっていることです。
そもそも、労働時間とは、始業から終業までの拘束時間から休憩時間を差し引いたものをいいます。荷待ちの時間など、本人が完全に自由に使えるとは言えない時間は「手待ち時間」といい、これは休憩時間にはならず、労働時間となります。先ほど挙げた例でいうと、食事の時間、車を止めて休憩や仮眠している時間は休憩時間としてカウントすることができます。それが各30分だったとしても、数回あれば1日に1時間程度の労働時間を縮めることが可能となり、1か月で20時間程度の労働時間を短縮することができます。
長時間労働は、健康管理と残業代高騰の二つの大きな問題を含んでいます。しかし、きちんと休憩時間を管理することで実際の労働時間を短縮することができれば、結果的に、これらのリスクを軽減することができます。ドライバーに休憩時間は短い時間であろうと正確に記載するように教育指導を行い、実際に休憩した時間を申告してもらうように意識付けることが大切となります。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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