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  • ブログ・馬場 栄

    第123回:長時間労働による過労死リスク

    2018年1月11日

     
     
     

     ここ数年、過労死で労災認定を受けた業種のトップは運輸業でした。しかも、その割合は全体の3割を占めるほどの多さになっています。運輸業の現場は他業種と比較すると長時間労働になる傾向があります。それは長距離移動で、ずっと運転を行っていることが多く、ある意味仕方のないことなのかもしれません。しかし、この事実を会社の社長に話すと、ウチは今まで社員が不調を訴えたことがないから、ウチに限っては大丈夫との声を多く聞くのです。
     では、仮に長時間労働による過労死が発生した場合、どうなるのでしょうか。なかには政府労災保険に加入しているから万が一の時にも補償があるので、問題ないと考えている社長もいます。確かに政府労災保険の補償の範囲内で解決できれば問題ないでしょうが、仮に遺族が会社の責任を追及して訴訟すれば会社が負担する金額がいっきに膨らんでしまいます。ケースによっては賠償金として数千万円もしくは1億円超の金額を支払うこともあります。
     その場合、政府労災保険からどれくらいの金額が支給されるかと言えば、一時金としては、およそ日額の1000日分(日給1万円の人なら1000万円)の支給を受けることができます。以後、年金として継続的に受給することはできますが、賠償金としてみなされるのは、この一時金のみで、残りの額は会社で用意しなければなりません。数千万円のお金をすぐに用意できる会社は少ないのではないでしょうか。


     こういった事態に備える方法として、民間の保険会社は政府労災保険の上乗せとして「労災総合保険」という商品を販売しており、このような保険に運輸業の会社こそ加入すべきだと考えます。この保険は、万一、事故が起こり、労災認定されれば一定額の一時金が支払われ、さらに訴訟に発展し会社の賠償責任を問われた場合には、賠償額を追加で支払う保険になります。年々賠償額が高額化しているので、賠償責任の保険金額としては、最低でも1億円以上で加入することをお勧めします。この保険に加入することで、会社は過労死が発生して高額の賠償責任が発生しても、賠償金を用意することが出来るのです。
    (保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    馬場 栄

    保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


    年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

     
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