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  • ブログ・馬場 栄

    第131回:退職時の年次有給休暇

    2018年4月26日

     
     
     

     前回、契約社員の年次有給休暇についてご説明しましたが、今回も引き続き年次有給休暇について、別の視点からご説明します。
     年次有給休暇は、6か月継続勤務した人が、労働日のうち8割以上出勤すると与えられます。これは、退職しようとする社員にも、もちろん与えられる権利です。そして、退職者の当然の心情として、せっかくなので年次有給休暇の権利を全て使って退職したいという思いがあり、まとめて申し出てくるケースもよくあります。この時、出社しないとはいえ、籍はまだ会社にあるので、一定の在籍リスクが会社に残ってしまいます。例えばプライベートで飲酒運転により交通事故を起こしてしまった場合、会社の名が世に知れ渡り、マイナスのイメージを与えるかも知れません。また、コスト面からみても年次有給休暇取得で、退職日が翌月にずれ込んでしまった場合、社会保険料を1か月余分に支払うことになります。


     そこで考えられる対策として「年次有給休暇の買い取り」があります。会社が年次有給休暇を買い取るという話をよく聞きますが、本来、在籍中の「年次有給休暇の買い取り」は労働基準法で禁止されており、社員の年次有給休暇を買い取って、年次有給休暇の日数を減らしてしまうことはできません。ただし、退職間近になって、社員に未消化の年次有給休暇が残っている場合には、これを会社が任意に買い取ることは認められています。この場合、会社は時期的に取得不可能な社員の年次有給休暇を善意で買い取ってあげているにすぎず、社員にとっては、むしろ利益となるからです。
     また、買い取り価格についても、とくに法律で定められた基準はないので、会社が決めた買い取り価格が本来、有給休暇を取得すると支払われる金額に対して低い場合でも違法とはなりません。買い取り価格は退職者との話し合いの上、折り合いをつけることとなります。極端な話、1日あたり1000円程度で買い取っても問題はないのです。ただし、1000円とすると社員もそれであれば、有給休暇を取得して辞めるとなりますので、0.7掛けなど、ある程度、折り合いのつく価格設定で交渉することをお勧めします。
    (保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    馬場 栄

    保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


    年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

     
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