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    経営再生物語(156)5S表彰制度〈事例A〉

    2017年6月9日

     
     
     

     〈表彰制度〉


    A社は配車担当と相談して、社員と契約社員を対象として「5S表彰制度」を設定することとした。これ以上クレームが続くと、会社の命運にかかわってくる。「5S表彰制度規定」は表1の通り。その運用ポイントは次の通りである。

     (1)毎月1回評価する。第1次評価者は現場の所属長とする(2)評価基準はS、A、B、C、Dの5段階評価とする(3)評価をするうえでは、具体的データに基づき5Sポイント項目ごとに指標数値を定める(4)ポイント化基準を設定し、満点で100ポイントとする(5)1ポイント当たりの単価は100円とする

     こうした毎月の積み重ねで、物流品質向上に取り組むこととした。プラスもあればマイナスもある。「金」でつるだけでなく、毎月のチェックに基づいて職場風土を活性化しようとした。

     第1次評価者は、毎日ノートに記録した。記録されたノートに基づいて一人ひとりに声をかけていった。契約社員は、仕事が終わるとすぐ帰ろうとする。そこを5分だけ踏みとどまらせて声をかける。

     「今日、○○荷主からお褒めの電話が入ったよ。君のあいさつがさわやかで気持ちがいいとのことだったよ。これからもこの調子で頼むよ」

     A社では、契約社員も大きな戦力である。ところが、社員と比べて賃金に大きな隔たりがある。そこでいろいろ指導したり、きめ細かく注意することは避けていた。「給料が安い分、なんとか働いてくれればそれでいい」と思っていた。ところが、厳しい荷主の要請に直面して意識改革を迫られた。契約社員といえども、A社カラーの車両を運転している。そこで「5S表彰制度」を実施することにした。

     A社では交通事故の発生率が多く、このままの交通事故発生率が続くと、次は保険料の割り増しとなる。割引どころか割り増しである。担当の損保会社いわく、「これから自動車保険の世界も規制緩和されて自由化です。社長のところのように事故が多いと、どこの損保会社も相手にしなくなりますよ。経営のコストもバカになりません。交通事故の少ない優良会社の割引率は70%です。社長のところよりはるかに安いのです。このままでは経営コストが掛かりすぎて、競争力がなくなります。この1年が勝負です。この1年頑張って、まず30%の割引を獲得して下さい」

          (つづく)

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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