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    ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ(山岸二郎・著、インデックス・コミュニケーションズ)

    2009年8月18日

     
     
     

     「ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ」は、飲食店の「集客術」にスポットを当てたビジネス本だ。父親の経営する赤字の飲食店を突然引き継ぐことになった著者が、試行錯誤の末、見事「繁盛店」へと成長させた経験がもとになっている。実体験を踏まえているため、その内容は非常に説得性が高い。また、飲食店だけでなく、「商売」をするすべての人に役立つ内容となっている。


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    山岸氏
     繁盛店の「商品力」、「価格力」、「接客力」を真似しても客は増えない。必要なのは「効果的に新規顧客を集めること」、「集めた新規顧客を効率良くリピーターにすること」だと同氏は説く。著書の中では、最小限の販促費で大きな効果を生むツールとして、「セールスレター」が紹介されている。
    「かかるコストも紙代など微々たるもの。しかし、一度出せば反応率が計測でき、費用対効果を割り出すことができる。数字が明確になれば、『どの媒体に出すか』、『どっちのキャッチコピーが効果的か』など、次の一手も考えやすい。運送事業者なら、どの企業も顧客リストは持っているはず。これを活かさない手はない。まずは実行してみることだ」
     もちろん、受け取ってすぐに捨てられてしまうようなものではいけない。大切なのは中身だ。店長の顔写真とともに「うどんバカ参上」「パスタばか参上」という衝撃的とも言えるキャッチコピーを配置した、インパクトのあるチラシの例が紹介されている。「バカ」というネガティブなワードで興味を惹き付けられた後、「そこまでうどん一筋の店長が作っているなら美味しいのだろう、一度行ってみるか」という心理にさせられる。
    「お客さんが知りたいのはその店に行く、あるいはその商品を使うことで、自分にどんないいことがあるのかということ。商品の良いところを伝えるだけでは弱く、『ベネフィット(=利益)』にまで踏み込んで伝えることが重要」
     この「ベネフィット」を見つけるのに有効な手段として有効なのは、「自社の特徴を百個書き出すこと」だという。
    「10個、20個はどの会社も同じような特徴が出てくるはず。そこを超えて百個出すのは大変だけれど、何とか絞り出す中で『最高のベネフィット』が見つかる。そもそも、自分の会社についてそこまで深く考える機会というのはあまりない。一度自社を客観的に見ることで、顧客に本当に訴求すべきポイントが見えてくるはず」
     「言葉を大切にしている」と話す同氏。現在は前述の飲食店を畳み、(株)満席エージェント代表として、中小企業のための集客支援コンサルティングを展開している。自らを「ペンだけで行列をつくるマーケッター」と称している同氏は、顧客向けのメッセージに用いる言葉だけでなく、自らの思考の上でも言葉を重要視している。
    「何でも紙に書き出すようにしている(※図参照)。経営についてもそう。まずアイデアや目標を書き、それを実現するために必要なことを全て書き出していく。あとは一つひとつつぶしていけば良いだけ。言葉にすることで自分の考えを客観視することもでき、脳みそが整理されていく。言葉があいまいだと現実もしっかりしない」
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    思考はすべて紙に書き出す
     同氏のポリシーは、「行動だけが現実を変える」。行動をし、結果を計測し、次の行動に活かす―このサイクルを自ら実践し、そして支援を求める中小企業に提唱している。そして、「言葉」と同じだけ、「数字」の持つ客観性も大切にしている。
    「我々がやっているのは『商売』。売上など、目に見える数字で『結果』を測るのは当然のこと。世の中に『価値』を提供して、その対価としてお金を得る―このサイクルをステップアップさせていくために、自分の手がけるビジネスをどんどん進化させていかなければならない」
    ▼「ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ」、山岸二郎・著、インデックス・コミュニケーションズ、1500円(税別)
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