賃料が高い、スペースが限られている…倉庫に関する悩みは尽きない。これらの問題を解決する可能性を秘めているのが、パワー工業（東京都港区）が提供する「パワーステージ」だ。
　同製品は倉庫の上方部分を有効活用するためのステージラック。同製品を使うことで、簡単に「2階」の空間を生み出すことができ、空間を2倍に利用することが可能となる。

「パワーステージ」使用例
　アンカーを使わずに設置できるため、移設や現状復帰も容易だ。また、再利用も可能なため、コストや環境面でのメリットも大きい。
　これまでは、顧客ニーズに合わせたオーダーメイドで製品を展開してきたが、このほど、サイズを2つ（28平方m、31平方m）に絞った規格品として販売を開始した。これにより、従来品よりも小さなスペースにも対応できるようになった。
　規格品をユニットとして組み合わせることで、レイアウトも自由に行うことができる。納期も1週間程度と、操業への影響を低く抑えて導入することが可能だ。
　耐荷重は1平方mあたり500kgを確保しており、載せる荷物を選ぶこともない。また、ＺＡＭ（ザム、高耐食溶融めっき鋼板）という、さびづらい素材を採用している。野澤拓美社長は、「この厳しい経済情勢のなか、規格化と大量生産により、安く提供したい」と商品発売の狙いを明かす。
　同社は棚・ラック製品の老舗メーカー。さまざまな製品群をそろえているが、同社長によると、「最近ニーズが高いのがセキュリティ関連」だという。同社製品の「セキュリティフェンス」は、網状のフェンスで高額商品などの間仕切りを行い、なおかつ監視カメラでの撮影も可能。「電気錠と合わせてお使いになるケースが増えている」（同社長）。
　「棚」を発端として、倉庫で使われるさまざまな製品・サービスを事業領域としてきた同社。「現場で困っている点を解決する」をモットーに、大手では拾いきれない細かなニーズにも対応することで、信頼を重ねてきた。
　「『こういう悩みは、どこに頼んだら良いのか』というような要望に応えていきたい」（同社長）。なお、「パワーステージ」はレンタルでも展開する。

野澤社長
　同社ＨＰは、http://www.power-ind.co.jp/