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物流ニュース
元パナの物流担当が指摘、「対応したはず」は危険 運輸交通法務センター 楠本行政書士
2026年7月9日New!!
「取適法に『対応したはず』が最も危ない」。荷主企業に対してこう指摘するのは、行政書士法人運輸交通法務センター(大阪市北区)の楠本浩一代表社員。
楠本氏はパナソニックの物流部門・物流子会社で20年以上、物流法務と契約管理に従事し、荷主企業と物流会社の双方での実務経験を持つ。2021年に行政書士として独立し、「荷主責任」を切り口に物流コンプライアンスの実務指導・契約チェック・社内研修を展開している。
「是正勧告を受けた企業の社名が公表されるが、その対象は運送会社だけでなく、発注側の荷主企業にも及ぶことを、多くの担当者はまだ十分に認識していない」と指摘する楠本氏。26年施行の制度改正により、物流取引の適正化責任は実質的に荷主企業にも及ぶ構造へと転換したとし、発注条件や運用実態が問われる時代に入り、「対応が遅れれば行政処分や取引停止といった経営リスクに直結する可能性がある」と警鐘を鳴らす。

物流の24年問題などを経て、「ドライバーの待遇は悪いし給料も安い、運送会社も全然儲かっていない、これらは全部、荷主が値上げを認めないとか、むちゃくちゃな発注をしているとか、そういう風に世間一般で論調されがちだが、実はそうではない」とする楠本氏。「荷主の物流担当者は、運賃を上げてあげたいと思っている。『自分たちも、めちゃめちゃしている』っていうことが分かっていながらやめられない構造がある。経営トップは物流を経営課題と考えず、コストと思ってしまっている。そうしたことにメスを入れて、構造自体を変えていかないと何も変わらない」といい、同氏は「その構造を変えるお手伝いをさせていただいている」。
同氏は、「長時間の荷待ちの常態化や契約に記載のない付帯作業の黙認、多重下請け構造で実態が見えなくなっている、判断が現場任せ、契約に存在しない主体(着荷主や倉庫会社など)が事実上の指示を出している、などは、企業内の判断構造と契約設計が一致していないことから生じる『必然』である」と述べ、法律に則って契約書だけを整えても、社内の意思決定プロセスや現場の指示系統が曖昧なままであれば、実態は変わらないと言い切る。
同氏は現在、独自の50項目診断チェックリストを用い、契約・判断・運用の三層を横断的に分析する支援を行っている。「トラック協会でいう巡回指導のようなもの。不適をあぶり出して、改善し、自走できる形にもっていく」。
◇
同氏はこのほど、「荷主と物流会社のための物流下請法と『法令違反』防止ガイド」(パレード刊)を出版した。現場で実際に起きた違反や是正、交渉の修羅場を踏まえ、「荷主も物流会社もどう生き残るか」を設計した一冊となっている。アマゾンなどで購入できる。◎関連リンク→ 行政書士法人運輸交通法務センター
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