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    全部返せば「連帯なし」 割引利用停止ペナルティ

    2017年8月23日

     
     
     

     道路会社の回答は、高速料金の大口・多頻度割引を活用する協同組合やトラック事業者にとって、いくらかの「朗報」となるかもしれない。
     利用者の間では一時、「ETCコーポレートカードをすべて返却し、その後はクレジット系のETCや現金で走ったとしても脱退しない限り、所属する協同組合は割引・利用停止のペナルティを免れない」という噂が拡大。道路会社の内部でも対応が混乱する場面もあったが、結論は「すべてを返せば(協同組合に残ったとしても)連帯責任は及ばない」(ネクスコ西日本)ということで収まった。ただ、カード管理における注意点を意識しておきたい。
     ■連帯責任の範囲
     一連の騒動は、4月に入って車限令違反にともなう大口・多頻度割引のペナルティ強化がスタートしたことで、利用者らが「クレジット系のETCカードだけを使う組合員が車限令を違反した場合でも、協同組合に連帯責任が及ぶと聞いたが、それは本当か」と問い合わせたのが発端。一気にペナルティが強化されたことで、所属組合への連帯責任を避けるためにコーポレートカードからクレジット系に切り替えようと考える運送会社に加え、「違反リスクを抱えたトラック事業者だけで新しい協同組合を作るしかないという意見もある」と、突き付けられた厳しい現実への対応を急いでいる時期だった。


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     4月からのペナルティ強化はトラック運送業界にとって大きな問題だが、なかでもトレーラを抱える事業者は戦々恐々の状態にある。累積60点で一部割引停止1か月(運送会社=組合員単位)、90点で同2か月という具合に段階的に厳しくなるうえ、従来は指導警告で済まされた軸重違反にも3~15点が科されることが深刻さを増幅させた。
     3か月でリセットされてきた違反点数の累積期間が、2年間へと大幅に延長されたことも関係者らの危機感をあおる。さらに、今回のペナルティ強化では「契約者(協同組合)が2年間に3回の『警告』を受けた場合、契約者のカード全部に割引の停止措置を講じる」とされており、違反60点で組合員の運送会社が割引停止となれば組合に警告が出され、それが2年間で3回になると組合全体も割引・利用停止となる。
     ■道路会社が明言
     一方、利用者らが混乱する原因の一つを、ある協同組合の幹部は「文面の読み取り方で意味が違ってくる」と指摘。「コーポレートを全部返してクレジット系や現金での走行に切り替えれば問題はない…そう思いつつも車限令違反に対するペナルティである以上、組合員が違反すれば加入組合も無関係とはいかない…と受け取る関係者もいる」という。
     仮に組合が割引停止となれば、その原因を作った組合員が責任から逃れることは難しく、金銭面で相当な負担も予想される。そのために「恐らく大丈夫…と楽観的にはなれない」と新しい協同組合を別に作り、そこへリスクを抱えた事業者を移動させることを検討するケースもある。ただ道路会社には、設立から1年間といった時間の経過がない協同組合とはコーポレートカードの契約を交わさないルールがある。
     しかし、現場が困惑、混乱する今回の事態について道路会社が「協同組合から貸与されているETCコーポレートカードを組合員がすべて返却している場合、組合員が車限令違反を犯しても協同組合に連帯責任が及ぶことはない」(ネクスコ西日本・本社広報)と明言したことで、「クレジット系に切り替えれば通行料金が跳ね上がるために問題が解決したとはいえないものの、とりあえずは長年の仲間が協同組合を去る必要はなくなった」と胸をなで下ろす関係者が増加。ただ、注意点があることを忘れてはならない。
     ■紛失カードは?
     まずは、当たり前の話だが「貸与されたコーポレートカードをすべて返却する」ということ。全部を戻したつもりが、手元に1枚でも残った状態で車限令違反があれば協同組合にもペナルティが及ぶことになる。
     また、「紛失カード」をどう考えるかという点も気になる部分。すべて返却した後で紛失カードが見つかり、それをドライバーが無意識に使ってしまう可能性もあるからだが、これについてネクスコ西日本は「紛失届が出た後であれば、車限令違反の車両が紛失カードを提示・使用した場合であっても協同組合に割引停止などの措置は及ばない」(料金サービス課)と説明する。
     そもそも違反を前提とした対策の議論が問題なのは確かだ。ただ、違法走行の解消には荷主などの理解と協力が欠かせないことで、それなりの時間が必要という現実もある。ある協同組合の幹部は「カードの確実な管理も大切だが、違反で検挙された場合は速やかに協同組合へ連絡するように現場へ徹底する必要がある。ドライバーが違反の事実を報告しないことで、突然に警告書が届いては大変だ」という懸念も打ち明けている。

     
     
     
     
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